TPing — TP(トイレットペーパー)イング
今日の題材はとてもアメリカらしい出来事、言葉の紹介です。俗に TPing 、つまりToilet Paperingと言われるいたずらです。トイレットペーパーが “to toilet paper” と動詞になるんですね。
Her house got TPed.
というように普通の動詞と同じように使えます。
数週間前の週末、土曜日の朝起きてカーテンを開けると、隣の家がこんな状態になっていました!
隣の家には高校3年生の娘さんがいます。(アメリカの高校は4年あるので、日本で言うと高校2年生になります。)その娘さんの友達がこういうことを夜中にしたんですね。
去年にも一度あったのですが、ここまで派手にやられていなかったので、今回は再度、きちんとやろうということだったのでしょうか。
去年の時はたまたま朝用事があって出かけ帰ってきたところ、お母さんと娘さんで一生懸命掃除をしていたので、少し話をしたら、友達同士でやってるんで、今回はうちの番だったんでしょうねー、などとお母さんも悠長に言いながらできるだけトイレットペーパーをとっていましたが、今回はここまで派手にやられると、そこまで大目に見ることができたかどうか定かではありません。
これ、掃除をするのはかなり大変です。木は高いのでかなり長いものを使っても上までは届きませんし、雨が降ったりしようものなら汚らしいし、近所にも迷惑がかかります。(実際、手前の木はうちの敷地にも入りかかっているので、当然、うちの庭にもトイレットペーパーが飛んできました。)
うちの子供達の友達がこんなことをしにきたら、結構怒るかも、と考えてしまいました。
木だけでなく家や車にもすることがあるようですが、家はさすがに高いので難しいのではないかと思います。
どうやってやるかというと、トイレットペーパーを下から木の反対側に向かって投げてそれを繰り返すんですね。一体どれくらいの時間がかかったのでしょうか。
この TPing 、何か友達同士で問題があって仕返しということでやる場合もあるかもしれませんが、ほとんどは悪気のない単なるいたずらのようです。
このようないたずらのことを “Prank” と言います。
いたずらをすることを “to play pranks” と動詞は “play” を使って表現できます。”To play tricks” とも言えます。
そして、そういういたずらをする人のことを “Prankster” と言いますが、最近ではそんなこともうまくやれば職業になってしまうようで、隠しカメラを使ったり、色々工夫をこらしていたずらをし、それをビデオにとりYouTubeに載せて人気を得、今では有名人になっている人もいます。不思議な時代になりましたね。
TPは違法かどうか、ということについては色々意見があるようで、
http://www.debate.org/opinions/should-toilet-papering-property-be-illegal
ここを見ると44%が違法、56%が合法だと言っているので、かなり意見も割れているようですね。やはり掃除が大変なことから、また他人の敷地に入ってそういうことをするのは違法だ、という意見や他愛のない遊びだからいいじゃない、という意見とあるようです。
確かに家を壊したりするわけではないし、人身に対して危険というわけではないですが、資源の無駄、と考えてしまう私は物を無駄にするな、と言われて育った日本人だからでしょうか。
アメリカに住んでいると疑問に思うようなことがあっても、「アメリカ文化」だからと言われればもうそれまでなのですが、色々なところで資源が豊かな国だからこういう意識がないんだな、と感じるところがあり、これもそういう出来事の一つです。
多分市町村レベルで違法かどうか規定(ordinance)があります。うちのあたりは警察を呼び、捕まえたら未成年者でも不法進入(trespassing)・器物破損(property damage)に問われますが、警察も寛容で大体親同士の示談に終わります。ただ間違って知らない人の家をTPしてしまうと、学校にも連絡が行き大学進学が無しになったり、最悪の場合その場で家人に射殺されます。夜中に大人サイズの人影が庭に数人見えたらそりゃあ怖いですからね。
シカゴの名無しさん、コメントありがとうございました!そうですね。やはり町によって規則が違うのでしょうね。そんな将来がかかってしまったり、まして命に関わるような恐ろしいところではバカなことはできませんよね。私が住む町はきちんとした規則がないのでしょう。私個人的には全然面白くもないし、何の意味があるかなー?と思ってしまうのですが・・・。数年後にうちが被害者にならないことを願います。
娘が通っていた、カナダの幼~高一環女子校は、日本やメキシコ、はたまたカナダ国内遠方からの生徒が寮生活をしている学校で、「北米文化」の一つとして何でしょうかね、卒業式間近になると、校庭の松林がまさしくこれTPで覆われる日が必ずあるんです。
まだ幼稚園部で私が毎日一緒に歩いて送り迎えしていたとき初めてこれを目にし、なんじゃこりゃ!? と思ったものです。今では懐かしい思い出。
でも、これが自分の家の庭にされたら・・・う~ん、反応は微妙ですね。
ハロウィーンとか自分でやるならわかるけど、いたずらで他人にされたら私は不快だと思います。でもこれも人気のある証、とか友達間ではあるのかもしれませんね。
娘さん、寮生活してたんですか!?じゃなくて遠方の人だけかな?
寮生活は留学生とか遠方の生徒だけ。
娘は徒歩通学という至近距離。
:-)