Bucket List とは
アメリカではよくこの “bucket list” という言葉を聞きます。英日辞書を引くとバケツリストと書いてありますが、そんな言葉を私は聞いたことがありません。もしかすると今はそう言って皆わかるのでしょうか?
Bucket list とは死ぬまでにやってみたいこと、体験を表します。使い方としては、
- Going to the Himalayas is on my bucket list. 「死ぬまでに一度ヒマラヤに行ってみたい。」
- Swimming with dolphins is one of the items on my bucket list. 「いつかいるかと泳いでみたい。」
- My bucket list is growing every day. 「私の『人生でやってみたいことリスト』は毎日増えています。」
など、いくらでも文章は作れますが、こんな感じです。
語源としては比較的新しい言葉で1999年にある脚本家が “Justin’s List of Things to Do before I Kick the Bucket” (この脚本家の名前がジャスティンなので、「ジャスティンの死ぬまでにすることリスト」)を作り、最初の項目が自分の作品をハリウッド映画にするということで、そこからそのこと自体を題材にしたらいいと思い “The Bucket List” という映画を2007年に制作したことによる、とあります。その映画から一般に広がっていったということです。(Wikitionary 参考)
上記にあります “kick the bucket” は死ぬことを意味する俗語です。こちらの語源は豚を食用にする時に足をしばって吊り下げるもののことを “bucket” と言い、死ぬ時に動物が動いてバケツを蹴ることから死ぬという意味になったのではないかというのが一般的な解釈のようです。(イギリスのガーディアン)またもう一つは自殺をする時にバケツに乗り首を吊り、そのバケツが蹴られて倒れると死ぬということから、という説もあります。(Wikitionary)どちらもいささか不穏な語源ですね。
語源はさておき、皆様は一生の間にどんなことをしてみたいと思いますか。
どこに行くとか大きなことでなくても、こんな服を着てニューヨークの街を歩いてみたい、とか夕日の見える海岸でワインを飲みながら日が暮れるのを見てみたいとかそういうことでもいいんですよね。
私はこの夏、3人いる子供の二人が大学で出て行ったので、いきなり家が静かになり一番下の子供も運転ができるようになったので運転手業を廃業にすることができ、一気に自分の時間が増えました。
こうなると老後、と言いますか、子供が皆独立した時に一体自分はどういう生活をしたいのか、残りの人生をどう過ごしたいのか、ということを自ずから考えるようになります。
そこで、今回この bucket list という言葉が思い浮かびました。
私の bucket list にはどんなことがあるのだろうか、とこれからじっくりと考えてみたいと思います。
月並みですが、やはり色々旅行で行ってみたいところはありますね。結婚する前に私はイタリア語を習っていて、新婚旅行はイタリアに行きましたが、その頃からもう一度行ってみたいと思っていました。こんな年で?と思いますが、大人でもホームステイができるプログラムがあるので、それでホームステイをしながらまたイタリア語を勉強したいなと思っています。それ以外にも行きたい国はたくさんあります。
経験系では私は冒険好きではないので、熱気球に乗りたいとか山登りとか探検とかそういう欲望は全くありません。
ですが、子供の頃にやっていたピアノはまたやりたいと思っていたので、早速そちらは先生を探して習いにいくことにして先週から始めました。
やっと一歩踏み出した感じですが、残りの人生を有意義に過ごすべく “bucket list” を作ってみたいと思います。
私は若い頃にはこんなことがしたい!という強い希望がなく(もちろんアメリカに来たいとか英語を使って仕事をしたいとかいう漠然とした希望はありましたが)、そうこうするうちに子育てで忙しく自分のことは何もできずにここまできたので、今若い方でこれを読んだ方はやってみたいことリストを作って毎年でも見直し、目標達成に向けて努力してみてください。
私と同じように老後に目が向く方も残りの何十年かを楽しく過ごしましょう!
Image by Daniel Byram from Pixabay