Grass-fed Beef はどんな牛肉?
アメリカというと牛肉!と思うのですが、この牛肉について最近では grass-fed beef という言葉を耳にするかと思います。
昔は当たり前のように牛は牧場で草を食べて暮らしていましたが、近代になり大量生産が必要になってくると安いとうもろこしや大豆(以前に記載しました遺伝子組み換えものですね。)などの畜産飼料を与え安く、早く牛を成長させるようになりました。
そうして育てられた牛の肉を食べすぎるとカロリー、脂肪のとりすぎとなり健康によくない、ということで赤身の肉は摂りすぎないようにと言われています。
しかし、今健康志向の強い人たちの中で言われているのは昔のように草を食んで自由に飼育された牛の肉は栄養価も高く脂肪分も低く体に悪いのではなく逆にいいのだ、ということです。
まだ長期にわたる研究がなされ結果が出たわけではないのですが、健康志向の強い人たちの中ではよくそう言われていて、最近ではお店でも100% Grass-Fed と書かれたものを見かけると思います。
私が住む地域で言いますと、KrogerやGiant Eagleにも多少ありますし、Trader Joe’s、Whole Foods、Fresh Thyme Farmers Marketなどで買うことができます。
全米でも優れた病院として認識されているメイヨークリニックというのはミネソタ州にある総合病院ですが(https://ja.wikipedia.org/wiki/メイヨー・クリニック)ここのウェブサイトでも以下の記載があり、草を食べて飼育された牛の肉は
- 脂肪分が低い
- 心臓に良いオメガ3脂肪酸が多く含まれる
- 心臓病やがんの予防に役立つ共役リノール酸(conjugated linoleic acid)が多く含まれる
- ビタミンEなどの抗酸化ビタミンが多く含まれる
という可能性がある(mayという動詞を使っていますので断言はしていません。)と書いています。
http://www.eatwild.com/basics.html
ここにかなり詳しく説明があるのですが、草を食べて育った牛の肉は脂肪分、飽和脂肪、コレステロール、カロリーが低く、ビタミンE、βカロチン、ビタミンC、その他健康促進に役立つオメガ3脂肪酸や上述の共役リノール酸が多く含まれている、とあります。
それに対し一般的に出回っている牛肉の牛は大量生産用で狭いところで飼育され、ストレスも多く、虐待されていることも多いと聞きます。たくさんの牛を狭いところで飼育することで大気、水、土壌汚染にもつながり、病気になると抗生物質を投与、ホルモンを使って成長を促進することもよく行われているようです。
本来草を食べるはずの牛にとうもろこしや大豆、挙句の果ては処理された肉の残り(肉骨粉)、都市のごみ、鳥の羽などいろいろな物が混ざったものを与え、こうしたことにより狂牛病(Mad Cow Disease – Bovine Spongiform ncephalopathy, BSE)が発生したと言われています。
以前、マクドナルドのハンバーグの肉の話を読んだことがありますが、直後はどうしても食べる気になりませんでした。最近では状況は少しは改善されていることかとは思いますが、まだまだ一般に売られている肉は同じようなものだと思います。
私はもう何年も家で調理する場合には有機(有機でも必ずしも草で飼育されたとは限らないのですが、少なくとも遺伝子組み換えのものは入っていないはずです。)やこの grass-fed beef を食べていますので、一般の例えばウォルマートで売られているような肉と比べてどうなのか、というのは忘れましたが、たしかにさらっとしている気はします。よくお皿を洗う時に牛肉の脂はとれにくいというのがありますが、grass-fed beefの場合はお湯で洗うとほとんど残らないほどきれいにとれます。
もし今まで試したことがない方がいましたら是非違いを味見してみてください。
アメリカでも日本の牛肉は和牛(Wagyu)と言われており、American Wagyu Association(http://wagyu.org)というものもあり、特に神戸牛はKobe Beefといって有名になっています。
では神戸牛は何を食べているのかと思い調べたところ、以下のようにありました。
「稲わらなどの乾牧草に加え、栄養に配慮した配合飼料(大豆やとうもろこし、大麦、ふすまなどさまざまな成分をブレンドしたもの)を与えています。生草は一切食べさせていません。餌だけでなく、水も大変重要であり、肥育牧場が水のきれいな地区に多いのはそのためです。」(http://www.kobe-niku.jp/contents/faq/)
もう一つ有名な肉といえば松阪牛ですね。こちらはどうかというと、
「仔牛の時は仔牛専用のえさを食べさせ、わら、スーザン、チモシーをたくさんやります。わらは胃を大きくさせるのにも適しており一番活発な青年期でのえさの量を増やすのに活躍します。」(http://www.matsuzaka-gyu.co.jp/shiiku.html)
とあります。
どちらも必ずしも草だけとは限りませんが、すごく手間をかけて育てている様子がよくわかります。当然高価なはずですね。
日本には他にもたくさん高級牛肉がありますが、どれも手間暇かけて飼育しているので高価ではありますがおいしいんですね。
政治の世界では牛肉の関税を引き下げるようアメリカが要求していますが、このような大量生産の体によくない牛肉をわざわざ輸入する必要があるのか、疑問になります。現時点では日本はオーストラリア産の牛肉の輸入が多いようですが、こちらはどんな肉なのかまた調べてみなければわかりません。
先日読んだ記事では、ある人がウォルマートの肉は表面がきれいな色をしているのに中は色が違うので尋ねたところ、奥にいた肉切りの人が色をつけてよく見せているんだと言ったという話でした。特にひき肉は何が入っているのかわからないようなところがありますので、怖いなーと私は思っています。皆さんも気を付けましょう。
The cow image courtesy of federico stevanin at FreeDigitalPhotos.net
ニュージーランドの牛は牧草だけを食べ広い牧場でのびのびと育っています。
先日ニュージーランドへ旅行にいったとき、牛肉を食べましたがあまり脂身がなく赤身のお肉でしたがぱさぱさすることなく非常に美味しかったです。
バターも牧草だけを食べた牛から絞る乳で作られるので非常に美味しかったです。牛乳も甘いですし、チーズもどれを食べても美味しかったです。日本でもそういうものを食したいものです。
Reikoさん、コメントありがとうございました!
ニュージーランドはいい牛肉があるんですね。いいですよね。やはり昔と同じように飼育され、栽培された食べ物は栄養価も高いんですよね。
日本の普通の肉はどうなのか情報あったら是非教えてください。
イメージとしては日本はアメリカに比べ規制も厳しく体に悪いものは少ない気がしますが、それでもよくラベルを見ると色々入ってることもありますよね。肉に関しては飼育の方法などわからないので情報を得るのが容易ではないですが、どこか調べる方法があるのでしょうか。
わかったらまた教えてくださいね。
食べ物は毎日のことなので本当に怖いと思います。体にいい物を食べたいですよね。
ありがとうございました!
同じように草を食べて飼育された牛のお乳から作ったバターが、
健康に良いという記事を読みました。
マーガリンを食べるくらいならバターを、というのが
我が家のポリシーであり、健康の理由でもあります。
今度は普通のバターではなく、この草を食べた牛さんのバターを
試してみようかと思います。
(オランダ人的には、少量の無塩バターをこまめに買うのが
一番なんですけどね!)
そうなんですよね。バターも牛乳もそうらしく、次回は牛乳について書こうと思っていました!いつも的確なコメントをありがとうございます。