Yield-譲れ
“Yield” といえば20年前の私は「作物や鉱物の収穫量、生産量」という意味の名詞とそれを動詞として使った場合しか知りませんでした。
ところが、この言葉をその意味で使う機会はあまりなく、別の意味でよく使われています。
⒈ まずは写真の標識。これは車を運転しているとよく見ます。ハイウェイに乗る時に他の方向からも車が来る場合、この写真のようにラウンドアバウトに入る前など。「停止または速度を落として他の車に譲れ」という意味です。譲る相手に対する前置詞は “to” を使います。
例えば “Yield to pedestrians”(歩行者に譲れ)もあります。
話がずれますが、ラウンドアバウトというのは円形の交差点で信号がないものです。円形の交差点まで到達してその中に車がいなければ減速してそのまま入って行ってもよく、中に車がいてすぐそこまで来ている場合は譲り、次の車まで間が十分にあいていれば入ることができます。
もとは19世紀後半にヨーロッパで作られたもののようです。アメリカでは90年代に入ってから一時すたれていたラウンドアバウトが別の規則(進入する車でなく環状の中にいる車に優先権を持たせる)を持って復活してきたようで、ここ数年、私が住む地域でもかなり増えてきています。
ヨーロッパではさすがに歴史も長く、円形の中心から放射状に伸びる道路がかなりの数あり、また環状の中も車線が複数あり、私が車で移動した経験があるのはイギリスとイタリアだけですが、皆かなりのスピードで回っていて、どこへ行くのかわからないと、いつまでもぐるぐる回る羽目になったりしてかなり怖かったです。
ここアメリカ中西部では普通の4方向の交差点に設置されていることがほとんどなので車線も二車線ですし怖いことはありませんが、たまにルールがわからず優先権があるのに止まっている人がいたりして困ることがあります。
日本でも昨年の9月1日から本格的に運用が決まったようですのでこれから普及してくるかもしれませんね。
“Yield” に戻りますと、次の意味は
2. 投資の収益、利回り
銀行で色々な種類の口座がありますが、説明にはその “Annual percentage yield” (APYといって年利です。)はいくらです、と書いてあります。そのように投資で利益が出る、という意味の動詞にもなります。
3.3番目の意味は私も製造の仕事をして初めて知りましたが「歩留まり」です。原料からどれだけの製品ができるか、というその率のことを言います。 “Yield rate” とも言いますね。
製造または物理では “Yield point” というのもでてきますが、これは「降伏点」のことです。
3番目の意味は製造に携わることがなければ通常の生活では使わないと思いますが、紹介しておきます。
他にも「屈服する」や、最初に私が知っていた「産出」と同じような意味で何かを「もたらす、生み出す」などの意味もありますが、今日は日々の生活で目にすることの多い道路標識の “Yield” を取り上げました。